#135 「法定相続分」とは?
■民法が定める「法定相続分」とは?
相続人の範囲や法定相続分は民法で定められています。ただし相続人皆の同意があるなら法定相続分とは違う分け方ももちろん可能です
相続人全員で遺産分割協議を行い、取り決めた内容で相続手続を進めることができます
遺言書があれば、遺言書の内容が優先されます
法定相続割合はあくまで遺言書がない場合や、遺産分割協議が行われなかった場合に各相続人の取り分として法律上定められた割合をいいます
民法が定める法定相続の割合は次のとおりです
●配偶者と子供が相続人である場合
配偶者が1/2、子供が1/2(子供が2名以上いる場合は、この2分の1をさらに子供の数で等分)
●配偶者と直系尊属(父母や祖父母)が相続人である場合
配偶者が2/3、親等の一番近い直系尊属が1/3(複数いる場合は、その1/3を等分で)
●配偶者と兄弟姉妹が相続人である場合
配偶者が3/4、兄弟姉妹が1/4(複数いる場合は、その1/4を等分で)
■遺留分によって明らかな不公平を防ぐ
遺産相続は、時として親族等の間に争いを生むこともあります
たとえば被相続人が遺言書で「長男に遺産を全て渡したい」とか、「愛人に遺産の全てを渡す」といった意向を示しているケースです
その遺言書通りにしたら、配偶者や子たちにとっては理不尽なことになってしまう可能性があります
こうした理不尽を防ぐため、配偶者やたちなど兄弟姉妹以外の法定相続人については、最低限度受け取れる財産の割合が民法により「遺留分」として保証されています
万が一、遺留分を侵害された場合、相続人は「遺留分侵害額請求権」を根拠に遺留分を請求することが可能となっています
これにより遺族の生活を一定の範囲で守ることができるのです
ただし、「遺留分侵害額請求権」は、相続開始及び遺留分を侵害する贈与または遺贈があったことを知った時から1年、もしくは相続開始の時から10年を経過すると、時効で消滅するため注意が必要です