Q&A 相続で家業を継ぐことにしたけれど、業種を変えたら税務上問題はある?

Q. 先日、父が亡くなりました。長男の私が実家に住み、家業(肉屋)を継げば相続税がかからずに済む、という話を聞きました。ただ近い将来には飲食店に業種を転換しようと思うのですが、税金的に問題はありますか?

 

A. 「小規模宅地等の特例」をうけられるかを検討することが必要です。

お父様が所有されていた土地・建物は、相続税の課税対象になります。

ただし、住んでいたり商売に使用している土地は、一定の要件を満たす場合、評価額を減額する特例を受けることができます。この制度を「小規模宅地等の特例」といいます。

 

ご相談のケースでは、この特例のうち、特定事業用宅地の適用が想定されます。

その際、次の要件を満たす必要があります。

・その宅地等の上で営まれていた被相続人の事業を相続税の申告期限までに引き継ぎ、かつ、その申告期限までその事業を営んでいること。

・その宅地等を相続税の申告期限まで有していること。

 

以上を踏まえると、引き継いだ事業から業種を転換したいのであれば、相続税の申告期限が過ぎてからにした方がよいでしょう。

相続税の申告期限前に業種をすべて飲食業に転業した場合には、もとの家業を引き継いで営んでいないとして小規模宅地の特例がまったく使えなくなるからです。

 

もしくは、店舗の一部は肉屋を続けつつ、一部を飲食店に改装すれば、事業継続する肉屋の面積部分について小規模宅地の特例が適用されます。

 

なお、業種の判定は、「日本標準産業分類」の分類項目が参考にしつつ、実質的な観点から総合的に判断しましょう。

 

 

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