#125 国債について
国債は、国が発行する債券です。国債には「償還期限」と「利率」が設定されており、利子の支払いと償還(元本の支払)を国が行います
株式などとは異なり、償還期限まで保有すれば原則として元本が保証されるのが大きな特徴ですが、償還期限を待たずに中途換金すると元本割れするリスクもあります
■国債の種類
国債には、主に以下の種類があります
●利付国債
半年ごとに利子を受け取ることができ、償還時に元本が全額戻ってくる国債
●割引国債
あらかじめ利子相当分を額面金額から差し引いた価格で発行され、償還時に額面金額を受け取ることができる国債。償還までの間に利子を受け取ることはありません
●個人向け国債
利付国債のうち、個人だけが購入できる国債。発行後1年が経過すると途中解約ができますが、名義人が亡くなり相続が発生した場合は、発行後1年を経過していなくても中途換金ができます
国債は、遺産分割および相続税課税の対象となる財産です
遺言書があればそれに従い、遺言書がない場合は遺産分割協議により相続人が決まります
その際、
①国債の名義人を、被相続人から相続人に変更して引き継ぐ方法、
②国債を中途換金してから相続する方法、
のいずれかをとることになります
国債を金銭で評価する方法は、国債の種類によって異なります
●利付国債の相続税評価額
相続発生日の最終価格+既経過利息の額
※既経過利息とは、前回の利払日から相続発生日までの利息(源泉所得税相当額を引いた金額)のこと
●割引国債の相続税評価額
取引所が公表する相続発生日の最終価格
●個人向け国債の相続税評価額
額面金額+経過利子相当額-中途換金調整額
※経過利子相当額とは、前回の利払日から相続発生日までの間に発生した利子相当額(税引前の金額)のこと。中途換金調整額とは、個人向け国債を満期前に解約する場合に発生する調整額のこと
国債は法律によって購入単位が決められており、購入単位未満の価額で分割することはできません。単位ごとに相続人に分割されることになります