#78 生命保険金の受取人が先に死亡していた場合

生命保険の受取人を配偶者にしていた場合に、被保険者より先に指定受取人である配偶者が亡くなってしまうこともあるでしょう

受取人の変更をすることなく、その後被保険者が亡くなった場合、その生命保険金は誰が取得することになるのでしょうか

今回は、生命保険の指定受取人が死亡していた場合の受取人と受取額、そして生命保険金の非課税枠との兼ね合いなどについて簡単にご説明します

 

■指定受取人が先に死亡していたら、指定受取人の法定相続人が受取人になる

たとえば、両親と長男・二男の4人家族がいたとします

あるとき母親が亡くなり、数年後に父親が死亡しました

相続のため父親の財産を調べたところ、生命保険金があることがわかったものの、受取人は母親となっていたします

この場合、誰が生命保険金を受け取るのかというと、『法定相続人』が受取人となります

ここで重要なのは、誰の法定相続人なのか、ということです。『被保険者』の法定相続人ではなく『保険金の受取人』の法定相続人となることに注意が必要です

 

今回のケースでは、子2人は、指定受取人である母親の法定相続人であると同時に、父親の法定相続人でもありますから、いずれにしても保険金を受け取ることができます

しかし仮に、保険金の受取人が母親ではなくすでに離婚した元配偶者や第三者だった場合、

子が保険金を受け取れないというケースが出てくることになります

特に、離婚したのに受取人を元配偶者から変更していなかったとなるとトラブルに発展しやすくなってしまいます

指定受取人が死亡した場合は、早急に受取人の変更の見直しを検討するようにしましょう

 

■生命保険金の分配方法、非課税枠の適用はどうなる?

では生命保険金はどのように分配するのでしょうか

生命保険金は法定相続人で法定相続割合に応じて分配します

先の事例で生命保険金が1500万円だったとすると、長男と二男が750万円ずつ受け取ります

このとき、相続税の計算はどのようになるのかについても重要な問題です

母親の法定相続人である子2人が生命保険金を相続した場合、子は父親の法定相続人でもあるため、生命保険金の非課税枠が適用されます

生命保険金の非課税枠は【500万円×法定相続人の数】です

この非課税枠を受け取った保険金の額に応じて分配します

今回のケースでは、非課税枠は全体で1000万円となり、1500万円の生命保険金を子2人が750万円ずつ分けますから、非課税枠は長男が500万円、二男が500万円となり、それを超える金額は課税財産となります

 

一方、生命保険金の受取人が法定相続人ではない場合は非課税枠の適用はありません

 

生命保険は、加入してから保険金の支払いまでの期間が非常に長くなるケースが多いです

受け取ってほしい人にきちんと保険金を渡すためにも、定期的に指定受取人を含めて見直すことが大切です

 

 

 

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