相続準備(2)電子化財産の相続

相続財産には、預貯金や不動産などのほかに、インターネット取引による財産があります。その典型例としてあげられるのが、ネット銀行やネット証券などの口座取引でしょう。最近では仮想通貨や暗号通貨といわれているものも注目されています

そこで、今回はそのようないわゆる電子化財産の相続についてご紹介します

 

(1)ネット銀行やネット証券の財産

ネット銀行やネット証券の取引は、インターネットを介して行っていることが多く、まず相続人がその存在を知っていれば、(IDやパスワードがわからなくても)証券会社や銀行に対して相続に関する手続を取ることができます

 

相続人がそもそもその存在を知らない場合、遺産承継手続から漏れてしまうという深刻な問題が懸念されています

 

財産調査には限界があり、一般的には遺族の記憶、住まいや勤務先に地理的に近い金融機関、遺品の通帳や金融機関から送付されてきた取引報告書などの現物といった情報を基に調査をかけることになります

 

最近ではネット銀行に限った話ではなく、現物の通帳の発行を省略することを希望する預金者も増えています

 

存在自体が把握されない財産については、金融機関に問い合わせを行うことができないでしょう

 

もしも被相続人が何らかのインターネット取引による財産を有していると思われるときには、被相続人の預金明細などを調べ、取引履歴を確認しますが、まずは本人が生前にエンディングノートなどで財産リストを作成するとともに、ID・パスワードなども残しておくことを検討したほうがよいでしょう

 

ネット銀行・ネット証券の遺産も、相続手続きについては一般的な金融商品と同じく、相続発生により一旦凍結され、手続きが終われば相続人に承継されます

 

(2)仮想通貨(暗号通貨)

ビットコインなどの仮想通貨が相続財産となるケースも出てきました

仮想通貨についてはまだ法整備が十分に進んでいないのが現状ですが、国税庁の通達などにより、徐々に整備されてきています

まず、仮想通貨が相続財産に含まれることが明らかになりました

そして仮想通貨をどのように評価するのかという点については、『活発な市場が存在する場合は
仮想通貨交換業者が公表する課税時期における取引価格による評価を行う』とされ、市場が存在
しない仮想通貨については、仮想通貨の実体を踏まえて個別に評価するとしています

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