#48 相続対策としての不動産の活用方法
来たるべき相続に備えて、所有する不動産で節税や収益の仕組みはつくっておきたいものです
従来は相続対策としての土地活用として、アパート建築やコインパーキングなどが主流でしたが、近年は活用方法に変化が生じています
今回は、最近の土地活用について簡単にお伝えします
<自宅に住み続けられるよう改築や建て替えを>
自宅敷地の土地を相続対策として活用する方法として次の方法が考えられます
■二世帯住宅に改築する
自宅を二世帯住宅にして推定相続人と住むことで、小規模宅地の特例による相続税の節税対策が可能になります。小規模宅地の特例は区
分所有登記されていなければ、住宅の玄関が別であるなど居住空間が分離していても適用されるケースが多くなっています
懸念事項としては、建替や改築に費用がかかることがあげられます
■マンションに建て替える
自宅をマンションに建て替えてその一室に住むことで、他の貸室からの家賃収入が見込め、また建物の管理もしやすくなります。部屋ごとに建
物や土地の区分登記をしておけば、将来的に一部売却も可能です。そのため、遺産分割の際にも柔軟に対応しやすくなるでしょう
一方、区分登記をしておかなかった場合は、遺産分割協議で所有者を決めなければならず、揉める可能性があります
その他、空室や修繕費の計画も視野に入れておくべきでしょう
<非居住の土地には家賃が得られる建物を>
自宅以外に土地を所有している場合は、次の方法が考えられます
■マンションやアパートを建てて賃貸に出す
土地の上に建物を建てることで土地の固定資産税評価額や土地の相続税評価額の低下が見込めます
生前から家賃収入が継続して入ってくることも利点でしょう
一方で、やはり空室や修繕費のリスクは無視できません。立地や需要をきちんと検討するなど、不動産投資は「経営であること」を今一度認識したうえで行動する必要があることは言うまでもありません
■高齢者向けの施設に土地を貸す
最近は土地活用方法として、高齢者向け施設や障がい者グループ施設などに土地を賃貸するという活用法が増えています。居住用の場合は退去による空き室リスクの検討は避けて通れません。この点、施設系の場合は居住用に比べて比較的中長期的に借り上げてもらえることが多いため、家賃収入が安定しやすいメリットがあります。自身は建築をせずただ土地を貸すだけということであれば、資金を借り入れる負担もありません
デメリットとしては、ほかに収益性の高いモデルが見つかったときに転換しにくいこと、入居事業者が退去した場合に、次の入居事業者がなかなか見つからなかったり、次の事業者用に内装の仕様変更が必要になる可能性があるなどのリスクがあります
相続対策として土地活用をするときには、短期的な収益だけでなく、次世代以降のことも視野に入れた長期的な計画を立てる必要が求められます