#19 贈与? 遺贈? 孫へ財産を残すのにはどうすればいい?

通常、孫は法定相続人ではないので、財産を残すには贈与や遺贈などを検討する必要があります。

今回は、孫へ財産を残すための方法をご紹介します。

 

 

■ 関係者の状況によって効果的な贈与方法は変わる

贈与や遺贈には、相続税の節税効果があります。

「親→子→孫」だと相続税課税を二度経ることになりますが、

「親→孫」だと相続を一世代飛ばせるからです。

 

また、孫は相続財産を取得しないことから、

仮に平成29年10月1日に発生した相続では、平成26年9月30以前に生前贈与で移動した財産については、相続の課税財産に加算されません。

 

では、贈与から紹介していきます。

 

教育資金贈与(最大額1,500万円)、住宅取得資金(年内だと最大1,500万円)、結婚・出産・育児資金(最大1,000万円)だと、多額のお金を一括で移せます。

 

一方、年間110万円の基礎控除を受けられる暦年贈与は、数年かけて孫に財産を移すことが可能です。

 

年齢や時期など、贈与者(財産を与える人)や受贈者(財産をもらう人)の状況によって、効果的な贈与方法は変わります。

 

 

■ 養子縁組にすることで基礎控除額を増やせる

遺言で遺贈すると、法定相続人でない孫の相続税は、原則2割加算となります。

 

最近では、孫を養子にする人が増えてきているといいます。

 

養子となった場合、孫は法定相続人として認められます。そうなると、相続税の基礎控除(600万円)を1人分増やせるのです。

 

ただし、養子を法定相続人に加えられる人数には限りがあります。

実子がいる場合は1人、いない場合は2人までです。

 

 

■ 小規模宅地の特例を活用して不動産を相続すると効果大

 

不動産の相続を検討している場合は、「小規模宅地の特例」の活用を検討してみるのもお勧めです。

土地の評価が最大で8割減になります。

 

8割減特例の対象は以下の通りです。
①配偶者
②同居していた親族
③持ち家のない親族(親に①②にあたる法定相続人がいない場合に限る)

 

「小規模宅地の特例」が受けられる事例を紹介します。

配偶者がすでに亡くなっているAさん。

1人息子のBさんは結婚しており、自宅を持っています。Bさんはすでに自宅を持っていますので、この特例は使えません。

しかし、来年大学を卒業して就職する予定の息子Cさん(Aさんの孫)がいればどうでしょう?

Cさんが持ち家を持っていない場合は、孫養子または遺贈で相続させれば③に該当することになり、“8割減特例の対象”となります。

 

孫への財産譲渡を検討中の方は、ぜひお問い合わせください。

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