#15 「姻族関係終了届」を出すと、遺族年金や相続はどうなる?

近年は「死後離婚」ともいわれる「姻族関係終了届」の届出件数が増えています。

姻族関係終了届を出すとどのような効果があるのか、遺族年金や相続はどうなるのか、について解説します。

 

 

□本人の意思のみで「姻族関係終了届」は提出できる

 

配偶者が亡くなったら、婚姻関係は終了します。

しかし配偶者の親族(親、兄弟姉妹など)との姻族関係は継続します。

 

「結婚当初から姑や小姑に意地悪をされた」「夫が亡くなり、舅や姑の介護負担が大きくなった」などのように、夫の死後も夫の親族との姻族関係を継続することが苦痛であったり、困難だったりするケースもあるでしょう。

 

その場合、「姻族関係終了届」を役所に提出すれば、夫の親族の姻族関係を解消することができます。

 

姻族関係終了届は、本人の意思のみで提出できます。姻族等の了承を得る必要はありません。

提出期限もないので、配偶者の死後から年月が経過しても手続きが可能です。

 

 

通常の離婚では、離婚後に旧姓に戻るか、婚姻時の苗字を名乗り続けるかを選べます。

しかし姻族関係終了届を提出しただけでは、姓と戸籍は変わりません。

結婚前の戸籍や姓に戻したいときには、別途、「復氏届」を提出する必要があります。

 

 

 

□遺族厚生年金を受け取れる?

 

姻族関係終了届を提出しても、遺族厚生年金をもらうことはできます。

復氏届を提出して旧姓に戻しても、新戸籍をつくって夫の戸籍から抜けても同様です。

 

なお、遺族厚生年金の受給資格を失うのは、主に以下に該当したときです。

・死亡したとき

・婚姻したとき

・直系尊属および直系姻族以外の者の養子になったとき

・離縁(養子縁組の解消)によって死亡した被保険者との姻族関係が終了したとき

 

 

 

□遺産相続を受け取れる?

 

姻族関係終了届を提出しても、遺産相続を受けることは可能です。

遺産相続の権利は、配偶者が亡くなった時点の関係性で判断されるからです。

 

 

 

姻族関係終了届は、遺族厚生年金や遺産相続には影響を及ぼしません。

 

 

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